WEKO3
インデックスリンク
アイテム
高齢者の入浴時刻の違いによる睡眠覚醒状態の比較
https://doi.org/10.24552/00002189
https://doi.org/10.24552/000021895bf98c1a-06b3-40ab-bd40-7f741cf41f27
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
---|---|---|
A51 (3.1 MB)
|
|
Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
公開日 | 2022-05-18 | |||||||||
タイトル | ||||||||||
タイトル | 高齢者の入浴時刻の違いによる睡眠覚醒状態の比較 | |||||||||
言語 | ja | |||||||||
言語 | ||||||||||
言語 | jpn | |||||||||
資源タイプ | ||||||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_db06 | |||||||||
資源タイプ | doctoral thesis | |||||||||
ID登録 | ||||||||||
ID登録 | 10.24552/00002189 | |||||||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||||||
アクセス権 | ||||||||||
アクセス権 | open access | |||||||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 | |||||||||
著者 |
佐々木, 千佳
× 佐々木, 千佳
|
|||||||||
抄録 | ||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||
内容記述 | Ⅰ はじめに 高齢者は、生体時計の機能が加齢により低下するため、成人に比し睡眠相が前進し、夕方の眠気や早朝覚醒等の睡眠障害を呈することが多い。生体リズムのうち、深部体温は、日中高くなり、夜間低くなるという24時間の周期を有している。睡眠の始まるタイミングとその持続時間に影響し、体温低下が起こるタイミングで睡眠の準備が開始され、この時の体温低下の勾配が急であれば、入眠が円滑になり、睡眠の持続が保持されていると言われている。体温リズムに働きかけ、睡眠を促す看護ケアとして、体を温める方法として、就寝前に入浴・足浴・湯たんぽの活用など行われており、一定の成果が報告されている。しかし、高齢者においては、体温リズムの振幅が低下していることから、これらのケアの有効性には、一定の見解が得られていない。研究者は、高齢者の入浴が睡眠に与える影響を探求しており、入浴時刻の変化で睡眠に変化が起こる可能性を指摘した。そこで、施設入所中の高齢者が、日頃入浴している午前・午後を変えるだけでも睡眠状態を変え得るのではないかと考えた。入浴時刻と睡眠覚醒状態の関連が明らかになれば、その人の睡眠の問題を解決するための入浴の提供時間を提案できる。 本研究は、高齢者施設で一般的に入浴が提供される時刻の午前、午後で入浴を行い、睡眠と覚醒の状態のデータを収集、体温を測定し、入浴の有無及び午前、午後の入浴時刻の違いで睡眠覚醒状態に違いがあるか明らかにする。さらに体温がどのように推移するかを経時的に測定し、入浴が体温に与える影響を探索することを目的とした。 Ⅱ 研究方法と対象 1. 研究デザイン:準実験研究 2. 対象者:A県内のサービス付き高齢者住宅入所者とし、研究の趣旨を理解し自らの意思で研究同意の意思を伝えることができる者とした。 3. 対象者の条件:65歳以上で、施設利用2週間以上経過し、食事は施設のスケジュールに沿い摂取し、感染症のリスクが低く体温変化に影響がないこととした。データ収集期間の生活は普段と同様とした。 4. データ収集方法:基本属性(年齢、性別、既往歴、睡眠導入剤服用の有無、食事摂取量、1日の排泄回数)は診療録と毎日の生活記録から収集した。客観的睡眠データは、活動計を非利腕に装着し、午前入浴日と午後入浴日、非入浴日を含む7日間の睡眠活動データを収集した。主観的睡眠データは、OSA睡眠票の一部を使用し、体温データは、オムロン製の耳式体温計を用い、朝7時か ら18時まで2時間毎と19時を測定した。 5. 入浴条件:湯の温度は40℃前後に設定、湯に浸かる時間は5分、衣類の脱衣開始から着衣終了まで20分を目安とした。 6. 入浴スケジュール:活動計装着翌日に午前または午後入浴を行い、その後2日間の非入浴日を挟んで2日目とは逆の時刻に入浴(午前だった者は午後に)とした。 7. 分析方法:対象者の体温は午前入浴日と午後入浴日、非入浴日について、Freedman検定を行い3群比較した。睡眠パラメータはアクチグラフによるデータは、ActionW2プログラムにより、1分毎に睡眠か覚醒かの判定を行い、睡眠効率、睡眠潜時夜間及び日中の、覚醒時間、睡眠(午睡)時間、最長睡眠時間、覚醒回数を体温データと同様に比較した。 8. 倫理的配慮:青森県立保健大学研究倫理委員会の承認を得て(承認番号1867)実施した。 Ⅲ 結 果 1.データ収集は、2019年10月から2020年3月まで行った。対象施設は、A県下のサービス付き高齢者施設6施設であった。対象者は、33名が推薦され、うち21名(61.76%)から承諾が得られた 2. 入浴日と非入浴日の睡眠と日中の覚醒の比較 主観的睡眠データは、入浴日翌日の「起床時の眠気(の有無)」「睡眠時間」「入眠と睡眠の維持」を比較した。全項目で、午後入浴日翌朝の点数が高く、「睡眠時間」が、P=0.027で有意な差があった。 入浴当日の客観的睡眠データでは、『寝つき』『睡眠の維持』『睡眠時間』『睡眠効率』すべての項目で有意差はみられなかった。入浴翌日の日中の覚醒状態は、入浴日も非入浴日も差がみられなかった。 3. 体温の比較 入浴の刺激による体温変化は、入浴直後の体温は、入浴によって上昇し、午前入浴と午後入浴では、衣類着用5分後に午前入浴が有意に低下(p=0.005)し、衣類着用15分後までに入浴前の体温に戻った。入浴直後の体温は、午前入浴は衣類着用後にr=0.579、午後入浴は入浴直後にr=0.520それぞれ、湯温と強い相関があった。体温の日内変動は、体温の最高点を示す時刻が非入浴日は15時、午前入浴日は19時、午後入浴日18時であった。また、午前入浴日、午後入浴日、非入浴日の体温を朝7時と比較したところ、午前入浴日の当日の朝と翌日の朝で有意な低下がみられた(p=0.015)が、これ以外の時刻では有意な差は見られなかった。 Ⅳ 考 察 主観的睡眠感の得点率が午前入浴翌朝より午後入浴翌朝が、すべての項目で高かった。睡眠に何らかの訴えがある高齢者は、午後入浴によって訴えが軽減する可能性がある。客観的睡眠データは、入浴の時刻の違い及び入浴の有無で有意な差は見られなかった。体温の日内変動は、非入浴日と入浴日で異なり、入浴により、体温リズムに影響し、最高体温の出現時刻が後退する可能性が示唆された。午前入浴は、翌朝の体温の低下という影響を与えた可能性がある。 |
|||||||||
言語 | ja | |||||||||
目次 | ||||||||||
内容記述タイプ | TableOfContents | |||||||||
内容記述 | 第1章 序論 Ⅰ.研究の背景・・・・・1 Ⅱ.研究目的・・・・・2 Ⅲ.研究目標・・・・・2 Ⅳ.学術的な特色・独創的な点・・・・・2 Ⅴ.本研究の意義・・・・・2 第2章 文献検討 Ⅰ.睡眠と体温の関係・・・・・4 Ⅱ.高齢者の睡眠の特徴・・・・・5 Ⅲ.足浴、入浴と睡眠の関連・・・・・5 Ⅳ.睡眠と光の関係・・・・・8 Ⅴ.睡眠評価・・・・・8 第3章 研究方法 Ⅰ.研究デザイン・・・・・10 Ⅱ.データ収集方法・・・・・10 Ⅲ.分析方法・・・・・13 Ⅳ.倫理的配慮・・・・・14 第4章 結果 Ⅰ.データ収集の概要・・・・・17 Ⅱ.入浴と睡眠・・・・・24 Ⅲ.入浴と体温・・・・・32 第5章 考察 Ⅰ.対象特性・・・・・39 Ⅱ.入浴と主観的睡眠 ・・・・・39 Ⅲ.入浴と夜間の客観的睡眠 ・・・・・40 Ⅳ.入浴と入浴翌日の日中の客観的覚醒・・・・・42 Ⅴ.入浴と体温 ・・・・・42 Ⅵ.本研究の限界と課題 ・・・・・45 第6章 結論・・・・・46 引用文献 ・・・・・48 資料目次・・・・・53 表目次 表1 対象施設の概要・・・・・ 17 表2 対象者の属性1・・・・・19 表3 対象者の属性2・・・・・20 表4 対象者の疾患・・・・・21 表5 主要内服薬 ・・・・・22 表6 認知機能・ADL個別表・・・・・23 表7 居室環境・・・・・23 表8 入床時刻、入眠時刻、起床時刻の比較・・・・・24 表9 主観的睡眠感の午前入浴日翌日と午後入浴日翌朝の比較・・・・・25 表10主観的睡眠感質問項目の得点の平均・・・・・ 25 表11 夜間の睡眠状態の比較・・・・・26 表12午前入浴当日と非入浴日の睡眠状態の比較・・・・・27 表13午後入浴当日と非入浴日の睡眠状態の比較・・・・・27 表14午前入浴当日と午後入浴当日の睡眠状態の比較・・・・・27 表15 夜間の睡眠データの個別比較・・・・・28 表16 入床・起床時刻の個別比較・・・・・29 表17日中の覚醒状態の比較・・・・・30 表18午前入浴日翌日と非入浴日の日中の覚醒状態の比較・・・・・30 表19 午後入浴日翌日と非入浴日の日中の覚醒状態の比較・・・・・30 表20 午前入浴日翌日と非入浴日の日中の覚醒状態の比較・・・・・31 表21 日中の覚醒状態の個別比較・・・・・31 表22入浴条件・・・・・32 表23 入浴日と非入浴日の翌13時までの測定時刻ごとの比較・・・・・33 表24 朝7時起点の翌13時まで体温増減・・・・・34 表25 午前入浴の朝7時とそれぞれの時刻の比較・・・・・35 表26 午後入浴の朝7時とそれぞれの時刻の比較・・・・・35 表27 非入浴の朝7時とそれぞれの時刻の比較・・・・・36 表28 入浴前から衣類着用後60分までの体温比較・・・・・36 表29入浴後の体温と入浴湯温・脱衣所の室温・所用時間の相関・・・・・38 図目次 図 1 45歳以上の地域で生活する人の入浴時間 ・・・・・8 図 2 入浴日と非入浴日の翌13時までの体温の日内変動・・・・・33 図 3 朝7時起点の翌13時までの体温増減・・・・・35 図 4 入浴前と衣類着用後60分までの体温変化・・・・・37 |
|||||||||
言語 | ja | |||||||||
学位名 | ||||||||||
言語 | ja | |||||||||
学位名 | 博士(健康科学) | |||||||||
学位授与機関 | ||||||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||||||
学位授与機関識別子 | 21102 | |||||||||
言語 | ja | |||||||||
学位授与機関名 | 青森県立保健大学 | |||||||||
学位授与年月日 | ||||||||||
学位授与年月日 | 2020-09-23 | |||||||||
学位授与番号 | ||||||||||
学位授与番号 | 甲第51号 | |||||||||
著者版フラグ | ||||||||||
出版タイプ | VoR | |||||||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 | |||||||||
リンク |
高齢者の入浴時刻の違いによる睡眠覚醒状態の比較[論文及び審査結果の要旨]
|